差別克服講座

様々な個人的または集団的属性を理由とする差別を克服するための日常的な努力の方法について考えるブログ

差別全般

差別からの自衛権一考

今年も差別克服のうえで特に目立った動きはありませんでしたが、6月に東京高等裁判所で注目すべき判決が出されました。高裁は、いわゆる被差別部落の地名を書籍やインターネット上で無断公開することについて、関係者がその差し止めを求めた訴訟で、「差別…

反差別抵抗性について

差別克服の道において最大の障壁となるのは、反差別抵抗性という普遍的に見られる人間の心理及び行動です。 より詳しく言えば、反差別抵抗性とは、差別克服の働きかけに対して抵抗してしまうような心理及びそうした心理に基づく抵抗的行動のことをいいます。…

「高市総理」誕生成らず、しかし・・・

昨日の自由民主党総裁選挙の結果、岸田氏が新総裁に選出されたため、「高市総理」誕生の予測は外れました。頭を丸めるべきかもしれませんが、率直に言って外れて安堵しています。トランプ氏の勝利は所詮外国の事でしたが、今回は自国の事ゆえ、他人事ではな…

心ある自由民主党員さんへの手紙

当ブログでこのような政治的な書簡を公開するのは異例であり、本来のポリシーに反することですが、今回だけの特例として掲載致します。それは、前回記事に関わって、党総裁選挙の投票まで一週間というこの時期に、心ある自由民主党員さん方にお考えいただき…

「高市総理」誕生の可能性

当講座に一つ自慢の種があるとすれば、2016年大統領選挙の党内予備選挙に立候補していたアメリカのトランプ前大統領がまだ泡沫のように思われていた頃、彼の勝利を半ば予見していたことです(拙稿)。同様に、日本における、言わば「女トランプ総理」の…

笑いと差別

先般終了した東京五輪の開幕直前、元お笑い芸人の関係者が20年以上前のコントでユダヤ人ホロコーストを揶揄する表現を用いていたことを理由に電撃解任されるというハプニングがありました。「空前のメダル獲得数」の呼号の前にすっかり忘却されつつあるよ…

差別、差別、差別

女性差別、容姿差別に続き、障碍者差別と、東京五輪組織委関係者の差別理由での辞任三連発という異常事態である。2021東京五輪はパンデミック下での強行開催という悪しき前例であるとともに、差別辞任ドミノの点でも恥ずべき前例として後世に記憶される…

今年を振り返って:2020

本年も残すところあとわずかですが、今年はパンデミックに始まりパンデミックに終わるという異常な年度となってしまうようです。そうした中、差別克服という観点から今年を振り返ってみますと、何と言ってもパンデミックの渦中、国内外で大規模な差別事象が…

実はアメリカ的な

就任して一月もたたないうちに差別的な入禁政策を断行して混乱と抗議を招いているトランプ大統領であるが、批判の中によく見られるフレーズ「アメリカ的でない」には、やや疑問を覚える。歴史的に見ればむしろ、こうした差別的入禁政策は「アメリカ的」とも…

今年を振り返って:2016

まだいくらか日を残す今年は、差別克服の視点から注目すべき様々な出来事が起きた一年だった。最大級は7月の障碍者施設襲撃大量殺戮事件であるが、これについては事件後の記事である程度管見を述べてあるので、ここでは、諸事情からすぐにレスポンスできな…

人工知能の差別学習

マイクロソフト社が開発した人口知能Tayがネット上で人種差別やヒトラー礼賛を学習し、発言するようになったため、運用休止に追い込まれたのは、差別克服の観点からは背筋が寒くなる「事件」であった。 この一件が明らかにしたのは、差別思想というものが…

ヒトラー著書再版をめぐって

ドイツで長年事実上の禁書とされていたヒトラーの自伝的教条書『我が闘争』が8日、再版された。きっかけは昨年までバイエルン州が公的に管理してきた著作権が切れたためという。しかしこれは戦後ドイツにとっては大きな転換となるため、波紋を呼んでいるよ…

立花隆の「めくら」発話をめぐって

「知の巨人」とも称される評論家の立花隆がNHKの報道番組中で「めくら」という言葉を使ったことについて、番組キャスターが「おわび」コメントをした経緯をめぐり、「言葉狩りだ」という立花擁護論が起きている。 番組というのは、本年度ノーベル物理学賞…

ハラスメントは差別か

ハラスメントという外来語が定着し、TVドラマのタイトルにもなる時勢である。この言葉は、セクシュアル・ハラスメント、パワー・ハラスメント、エイジ・ハラスメント等々、ハラスメントの要因となる事由を組み合わせて使われるので、いくらでも拡大してい…

動物差別について

以前、差別最終街区の四丁目二番地・犯罪者差別の隣は動物差別であると述べた。実際、凶悪犯罪者は「鬼畜」と評されることすらあることからも、このことは裏付けられる。動物差別とは、人間以外の動物を劣等視することである。 人間はかねて高等知能を有する…

日本社会と差別(下)

「日本社会と差別」の最終回である。差別は世界中すべての国で何かしら発現している現象であるが、差別にも「国柄」が滲み出る。そこで今回は、普遍的な人類的現象である差別が日本社会ではどのような特徴をもって発現しているかについて考える。 日本社会で…

日本社会と差別(中)

前回は、日本社会において差別克服が困難な課題となる理由として、差別が高度の社会的安定の秘訣として利用されていることを、特に移民制限と精神障碍者隔離という典型的な二つの事例を挙げつつ、指摘した。しかし、日本社会で差別克服が困難となる理由は、…

日本社会と差別(上)

差別問題を街区にたとえて、一丁目から四丁目まで見て一巡したところで、今回から日本社会における差別問題の特殊性について、考えていきたい。残念ながら、日本は差別に対して感度の低い国であり、包括的な反差別法の制定もめどが立たない状況である。差別…

はじめに

当ブログは、様々な個人的または集団的属性による差別を克服するための日常的な努力の方法について考えることに特化した、特殊なブログです。 残念ながら、人間は差別する動物です。あらゆる人間が、最低でも一つや二つは何らかの差別的偏見を抱いており、そ…