差別克服講座

様々な個人的または集団的属性を理由とする差別を克服するための日常的な努力の方法について考えるブログ

障碍者差別

民間優生学の危険性

北海道内の知的障碍者施設で、結婚や同居を希望する利用者に不妊手術を受けさせていたという報道がありました。これは単なる疑惑のレベルではなく、理事長自ら事実関係を認めているので、確信的に、しかも1996年頃から長期にわたり行われてきたことのよ…

差別、差別、差別

女性差別、容姿差別に続き、障碍者差別と、東京五輪組織委関係者の差別理由での辞任三連発という異常事態である。2021東京五輪はパンデミック下での強行開催という悪しき前例であるとともに、差別辞任ドミノの点でも恥ずべき前例として後世に記憶される…

怖がらない

7月の障碍者施設襲撃事件は障碍者やその家族に大きな衝撃というより恐怖を与えたようである。事件以来、外出に恐怖を感じたり、障碍児を連れていると人目が気になる、また同種施設ではセキュリティ強化、防犯訓練などの対応に追われるといった影響が出てい…

出生前診断をめぐって(下)

昨年末、予告しておきながら保留していた出生前診断をめぐる問題について、改めて論及してみたい。前回これを取り上げたのは、ある県の教育委員が県の予算や家族の負担を理由に、出生前診断を奨励すべきかのような発言をしたことに衝撃を受けてのことであっ…

戦慄の障碍者施設襲撃事件

26日、相模原市で発生した知的障碍者施設襲撃事件は、死者数では戦後最悪の大量殺人事件と指摘されているが、問題は数ではない。障碍者だけを狙った殺戮という質の点でも、(おそらくは)世界史上初の最悪事件ではないだろうか。 報道によれば、犯人は「障…

続・「合理的配慮」への危惧

熊本・大分地震では、まさに今月施行されたばかりの障碍者差別解消法がいきなり災害時の障碍者対応という難題に直面したことは不運とも言えるが、実際のところ、新法は災害対応の現場で生かされたとは言えなかったようだ。 例えば、4月26日の時事通信は、…

「合理的配慮」への危惧

今月より「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下、障碍差別解消法という)が施行された。当法律は2013年に公布済みであったが、三年間の周知期間を置いての施行という触れ込みである。 この法律は、その名称どおり、障碍を理由とする差…

出生前診断をめぐって(上)

先月、茨城県の教育施策を話し合う会議の席上で、一人の県教育委員が障碍児らの通う特別支援学校を視察した経験をもとに、「妊娠初期にもっと(障碍の有無が)わかるようにできないか。(教職員も)すごい人数が従事しており、大変な予算だろうと思う」、「…

「ユニバーサル」の落とし穴

日本語のカタカナ外来語の氾濫には閉口するが、反差別の分野でもカタカタ外来語は多い。例えば、従来から「バリアフリー」という語が定着してきたと思ったら、これはもう時代遅れで、最近は「ユニバーサルデザイン」と言うらしい。 ユニバーサルデザインとは…