差別克服講座

様々な個人的または集団的属性を理由とする差別を克服するための日常的な努力の方法について考えるブログ

反差別教育

成人向け反差別教育の地平線

年末以来、成人向けの反差別教育の可能性如何という次なる問題に考えを巡らせていたところへ、オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性差別発言を批判され、辞任に追い込まれるという「事件」が起きました。ご本人は「差別的意図はなかっ…

第Ⅱ期反差別教育の実践(下)

12歳以降の「形式的操作段階」における第Ⅱ期反差別教育を二つに区分けしたうち、おおむね15歳から18歳くらいまでの第Ⅱ期bにおける反差別教育が今回の主題になります。この年代は思春期の後期に当たる時期で、成人への橋渡しの重要な時期でもあります…

第Ⅱ期反差別教育の実践(上)

第Ⅱ期反差別教育とは、年代的に見て、おおむね12歳以降の「形式的操作段階」の時期に相応した反差別教育に当たりますが、ピアジェ発達段階論による「形式的操作段階」はかなり広範な年代をカバーするので、ここでは、この段階を第Ⅱ期aと第Ⅱ期bとに分けて…

第Ⅰ期反差別教育の実践

前回まで見た早幼児期における反差別原体験は、言わば反差別教育の準備段階のようなもので、この段階ではまだ体系化された教育は実施されません。そうした本格的な反差別教育は、おおむね6歳から7歳くらいの段階で開始されることになります。 エリクソンの…

早幼児期における反差別原体験(下)

差別には、態度によるからかいのような非言語的な形態をとるものもありますが、これはかなり子どもじみたいじめの一種であって、“本格派”の差別ほど言語的な形で表出されます。その第一歩が、辞書にすら多数掲載されているようないわゆる差別語の数々です。 …

早幼児期における反差別原体験(上)

反差別教育は何歳から始めるべきか―。「三つ子の魂百まで」と言われるように、3歳の段階から即行で開始するべきであるということになるのでしょうか。実際のところ、それほど単純ではなさそうです。そもそも、乳幼児は「教育」の対象となり得るかが問題です…

反差別教育の方法論的基礎

前回記事から三か月近く経過しても、いまだ新型コロナウイルス:COVID-19は終息には遠いようです。そうした中で、ウイルス関連での心無い差別行為の実態も耳に入ってきます。どうやら、人類社会ではウイルス自体とともに、それをめぐる差別という言わば心の…